SAWはSurface Acoustic Waveの略称で、表面弾性波フィルターのこと。
タンタル酸リチウムや水晶などの圧電体を被膜させた薄膜電極に電圧を加えて電界を作ると被膜した圧電素子に歪が生じ、この歪は低損失の弾性歪なので音響として伝搬する。
伝搬した歪は離れた位置にある同様に圧電体を被膜させた薄膜電極に電荷を発生させる。
この現象を応用して圧電体を被膜させた一定ピッチの櫛歯状の電極に高周波で電圧を加えて励振するとその周波数の歪が伝搬し、伝搬方向の対向する位置にある圧電体を被膜させた同じピッチの櫛歯電極がそれを受信して同じ周波数の電圧が発生する。
この励振と受信の周波数がピッチできまる周波数に一致したときに低損失で信号が透過することができ特定の周波数の電波を選び出すことができる(特定周波数を透過させるフィルターの動作原理)。
今の携帯電話は20個以上のSAWフィルターを搭載。
SAWフィルターが発明されなかったら今の携帯電話は作れなかったかもしれない。
日本では佐藤良夫氏(元富士通)がSAW開発で評価されて2003年紫綬褒章を受賞している。
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