チャージアップモニタテストウエハ

チャージアップモニタ|プラズマプロセスの帯電ダメージ評価

チャージアップモニタは、エッチング、成膜、イオン注入などの半導体製造工程で生じる帯電の影響を、ゲート酸化膜が受けたダメージを評価するテストウエハ/評価用チップです。チップ上に設けたアンテナがプロセス処理中の電荷を集め、その電荷がMOSキャパシタの薄いゲート酸化膜へダメージを与える構造になっています。

工程を通したウエハまたはチップは、ゲート電極Poly-Siパッドと裏面Siの間に電圧を段階的に印加してI-V特性を測定します。チャージアップの影響は、初期測定と処理後測定のI-Vカーブを比較して確認します。さらに、各I-Vカーブの変化を測定位置(ウエハ内チップ位置)やアンテナ比ごとに整理します。

複数のアンテナ比と測定位置におけるI-Vカーブを比較することで、酸化膜ダメージの傾向や感度による違いを確認できます。アンテナ比とは、アンテナPoly-Si電極面積とアクティブ面積の比を表します。ExcelにはI-Vカーブとゲート酸化膜の破壊電圧マップを収録して提供します。

項目内容
対応形態・サイズ300mm,200mm,Chip 19.6mmx19.4mm
販売単位ウエハ1枚から/チップ4個一式
測定・結果形式I-Vカーブ/ゲート酸化膜の破壊電圧マップをExcelで提供
発送の目安在庫がある場合、通常約1週間
測定結果提供の目安処理済み試料の受領後、約2週間

仕様・販売形態

300mm、200mmのウエハに対応し、ウエハは1枚から販売します。チップは19.6mmx19.4mmで、販売・測定ともに4個単位です。チップ形態を使うことで、200mm/300mmのウエハ規格に収まらない基板サイズの装置も評価対象にできます。

ウエハは、プラズマ処理後の電気的測定サービスを含めて販売します。製造直後に測定した同一ロット未処理ウエハのI-V測定結果も提供でき、プラズマ処理後の測定結果を確認する際の基礎データとして使用します。

ウエハ

チャージアップモニタウエハの実写真

チップ

青い手袋を着用し、4枚のチャージアップモニタ用チップをピンセットで取り扱う実写真

どの工程の帯電ダメージを評価できるか

装置・プロセスの評価

チャージアップモニタは、プラズマ帯電ダメージの評価に用いるテストウエハです。エッチング、アッシング、CVD、PVD、イオン注入、大気圧プラズマ、洗浄後の乾燥など、帯電の影響が懸念される装置・工程の評価に使用します。初期測定と処理後測定のI-Vカーブを比較し、酸化膜ダメージの傾向やアンテナ比による違いを確認します。耐圧マップは、測定結果の面内分布を確認するために使用します。

想定される評価用途には、次のようなものがあります。

  • 新しい半導体製造装置の開発段階における帯電ダメージの確認
  • 装置の据え付け、立ち上げ、改造、メンテナンス後の状態確認
  • プロセス条件やレシピを変更した際の条件比較
  • 複数装置やチャンバー間の傾向比較
  • ウエハ面内でダメージが偏る位置の確認と原因切り分け
  • 製造工程の定期的な監視や、通常時と異なる変化の確認
  • 酸化膜の信頼性低下を抑えるための工程改善や歩留まり改善の検討

I-Vカーブを比較することで、装置や条件を変更した際の変化や改善前後の傾向を確認できます。耐圧マップは、測定位置ごとの違いをウエハ面内で把握するために使用します。

ウエハ面内の分布確認

各I-Vカーブでゲート酸化膜が破壊した電圧を色分けし、ウエハマップで示します。ウエハ中央部と外周部の違いや、特定領域に偏った傾向を色と電圧値で確認します。

アンテナ比による感度の確認

2.5K、10K、100K、1Mの4種類のアンテナ比の測定を標準的に行うことによって、帯電ダメージに対する感度差を確認します。アンテナ比が大きいパターンほど、同じゲート面積に対して広いアンテナ面積で電荷を集める高感度側の評価に用います。

チャージアップをI-V特性でどう評価するか

プラズマ処理などで生じた電荷はアンテナに集まり、MOSキャパシタのゲート酸化膜へ注入されます。このアンテナMOS TEG(Test Element Group:評価用テスト素子群)では、電流が酸化膜を流れると膜内の欠陥が増え、蓄積したダメージが限界を超えるとリーク電流が急増して絶縁破壊に至ります。

掲載している300 mmウエハタイプでは、LOCOSで素子分離し、リンをドープしたPoly-Si電極と熱酸化膜によってMOSキャパシタを形成します。断面構造は、熱酸化フィールド酸化膜320 nm、ゲート酸化膜4 nm、ドープPoly-Si電極460 nmです。処理前後のI-Vカーブを比較して酸化膜ダメージの影響を確認し、破壊電圧を耐圧マップの色分けに使用します。

ユーザー提供のチャージアップモニタのTEG断面構造スクリーンショット

チップレイアウトと各種アンテナ比パターン

チップ内にはチャージアップ評価用のBOXアンテナを配置し、全体レイアウトによって評価パターンの位置と構成を示します。

300mmチップレイアウト

300 mm用チップレイアウトと横13.46 mm、縦12.60 mmの外形寸法

200mmチップレイアウト

200 mm用チップレイアウトと横19.6 mm、縦19.4 mmの外形寸法

各種アンテナ比のパターンを同一チップに搭載し、帯電ダメージに対する感度差を測定します。

ユーザー提供の4種類のBOXアンテナ画像

測定方法:I-Vカーブと耐圧マップを作る流れ

プラズマ処理後の試料は、セット、電極接続、I-V特性取得、結果整理の4工程で測定します。

  1. 準備

    試料をセット

    プラズマ処理後のウエハまたはチップを、プローブステーションへセットします。

    対象ウエハ/チップ

  2. 接続

    電極を接続

    ゲート電極Poly-Siパッドを負電極、裏面Siを正電極として接続します。

    極性ゲート側 −/裏面側 +

  3. 測定

    I-V特性を取得

    印加電圧を段階的に上げながら電流を測定し、I-Vカーブを取得します。

    取得I-Vカーブ

  4. 整理

    結果をExcelへ整理

    I-Vカーブと、測定位置ごとに色分けした耐圧マップをExcelへ収録します。

    提供I-Vカーブ+耐圧マップ

面積4 µm²のアクティブ領域に流れる電流が1 µAを超えた電圧を破壊電圧と定義し、破壊電圧(耐圧)のマップを測定チップ位置ごとに表示します。この耐圧マップとI-Vカーブを用いて評価します。300 mmウエハの標準測定では、通常、有効チップの約25%を市松模様に選んで測定します。

評価事例と測定位置

Excelには測定位置ごとのI-Vカーブと、各カーブから抽出した破壊電圧を色分けした耐圧マップを収録します。300 mmは評価事例を掲載し、200 mmは標準的な測定位置を図で示します。

300 mm:初期測定結果と2つの処理評価事例

300 mmの掲載図は、初期測定結果に加えて、プラズマ処理後の評価事例1と評価事例2を、2.5K、10K、100K、1Mのアンテナ比ごとに示したものです。

処理後の評価事例では、アンテナ比によるI-Vカーブの違いを比較します。耐圧マップは、測定位置ごとの面内傾向を確認するために使用します。

初期測定結果

300 mmの4アンテナ比の初期I-V特性

評価事例1

300 mm Process AのI-V特性と耐圧マップ

評価事例2

300 mm Process BのI-V特性と耐圧マップ

200 mmの場合の測定位置

200 mmチャージアップモニタウエハの測定位置図

ご注文からExcel測定データ納品までの流れと納期目安

仕様の確認から評価結果のご提供まで、6つの工程で進めます。

仕様確認

  • ウエハ径
  • ウエハ/チップの形態
  • 評価対象の工程
チェック印が付いたクリップボード

発送

  • ウエハまたはチップを発送
  • 在庫品は通常約1週間が目安
右向き矢印と発送箱

プラズマ

  • お客様にてプラズマ処理
処理装置とウエハ

返送

  • 処理済みのウエハまたはチップを返送
左向き矢印と返送箱

I-V測定

  • 返送試料のI-Vカーブを測定
  • I-Vカーブを中心に評価
I-Vカーブのグラフ

結果提供

  • I-Vカーブと耐圧マップをExcelで提供
  • 試料受領後、通常約2週間が目安
表形式の資料とチェック印

発送および測定の期間は、在庫状況、仕様、日程によって変動します。お客様での処理期間と輸送期間は含まれないため、全体の所要期間は個別にご案内します。

チャージアップモニタの購入・見積・技術相談

購入・見積をご検討の場合は、サイズやウエハ/チップの形態が決まっていない段階でもご相談いただけます。お問い合わせの際は、評価目的、対象工程、希望納期など、差し支えない範囲で評価概要をお知らせください。標準的な測定アンテナ比は2.5K、10K、100K、1Mの4種類ですが、ご要望があれば他のアンテナ比の測定も実施可能です。