用語集Technical Words

サイリスタ

英語ではThyristorと表記し、SCR(Silicon Controlled Rectifier: シリコン制御整流子)ともいわれる。

P型とN型のシリコン半導体素子がP型/N型/P型/N型の順に4つ接合した構造をサイリスタといい、電流を制御できるシリコン半導体素子である。
この構造はpnpバイポーラトランジスタ(Tr)とnpnバイポーラ(Tr)が互いに増幅効果が出るようにpnpバイポーラトランジスタ(Tr)のコレクタと
npnバイポーラトランジスタ(Tr)のベースが共通になっている。
この部分をゲートといい、この場合はPゲートという。
このPゲートでpnpnサイリスタのアノード(anode:P側)からカソード(cathode:N側)に流れる電流を制御でき、正帰還動作によりアノードからカソードに大電流を流すこともできる。
アノードから大電流が流れている状態で元のoff状態に戻すには、ゲートをoffにしても大電流は制御できず、
アノードからの電流をoffにすることで元のoff状態に戻る。用途としてサージ防止などに使われる。

半導体のCMOSトランジスタ回路では、回路にnpnやpnpのバイポーラトランジスタ素子が存在するため寄生サイリスタが形成してしまう場合がある。
その寄生サイリスタの正帰還動作によって異常電流が流れ正常な回路が壊れてしまう現象をラッチアップという。
CMOS回路の特有の減少で、CMOS回路を作る場合はこのような現象にも対策しながら回路を作る。