用語集Technical Words

IGBT

Insulated Gate Bipolar Transistorの略称。

シリコンを用いたパワー半導体の一種で、日本語では絶縁ゲート型バイポーラトランジスタという。
大電流を高速スイッチング制御できることが特徴。

Nチャネル型とPチャネル型の2種類があり、ゲート(G)、コレクタ(C)、エミッタ(E)の3つの端子がある。
ゲート(G)はMOSFETと同じ、コレクタ(C)とエミッタ(E)はバイポーラトランジスタと同じになっており、
ゲート(G)によってコレクタ(C)とエミッタ(E)間に流れる電流を制御する。
Nチャネル型とPチャネル型の違いはコレクタ(C)とエミッタ(E)間に流れる電流の向きが逆向きであることで、
Nチャネルはコレクタ(C)からエミッタ(E)に電流が流れる。

IGBTでは入力インピーダンスが高いバイポーラトランジスタができるので、大電力制御の相補回路の設計ができる。
高耐圧で大電流をON/OFFできるというバイポーラトランジスタのメリットを生かした高速大電力制御ができるため、
現在、発電所や新幹線、電車、EVなどの電力制御に使われている。

シリコンを使うバイポーラトランジスタは安価に製造ができるので、大電力制御のほとんどを担っている。
最近は、低損失で高周波・高耐圧の動作が必要な領域にシリコンより高い材料性能特性を持つSiCを使ったトランジスタが使われるようになった。

この領域については、更に性能特性の高いガリウムオキサイド(β-Ga2O3)を使ったデバイスが登場する可能性がある。