シリコンの原子空孔欠陥の軌道は周囲に大きく広がっているため,巨大な電気四極子をもち,大きな四極子-歪み相互作用を示すので,100億個のシリコン原子に1個の極僅かな濃度の原子空孔を、弾性定数の低温ソフト化から観測できる。
研究実績Works
シリコンウエハの原子空孔欠陥を観察する研究
テストウエハ
2024年02月13日
シリコンウエハの原子空孔濃度を測定するために音速を極低温で測定する試みが新潟大学でなされました。 当社はそのためのSAWデバイスを作製することを担当しました。原子空孔の相互作用のために絶対零度付近でシリコンが軟化する特異な現象が論文で紹介されました。
半導体産業のコストに影響するシリコンウエハの原子空孔欠陥を観察する研究
全産業を支えるシリコンウエハと結晶欠陥制御の歴史
デバイス構造の微細化
表面弾性波によるシリコンウエハ表層の原子空孔欠陥の研究
概要
背景・課題
ボロン添加シリコンウエハの表層に存在する原子空孔の解明は,最先端微細化LSTや高性能パワーデバイスの半導体製造技術向上と歩留まりの確保に喫緊の課題である。
目的・ねらい
表面弾性波(SAW)を用いて、ウエハ表層を伝搬するレイリー波の弾性定数Csの低温ソフト化と磁場依存性を観測し,原子空孔軌道の量子状態の研究を進めた。半導体デバイスの基盤材料であるウエハ表層の原子空孔を定量評価する革新的技術の発展に寄与できる。
SAWによる原子空孔評価
表面弾性波の弾性定数CSには低温でソフト化が見られ、その大きさはシリコンウエハ表層の原子空孔濃度に比例している。表面弾性波による原子空孔評価技術の実用化は、原子空孔濃度を表示した次世代の高品質シリコウエハの開発に貢献できる。